先日東洋大学朝霞キャンパスで行われた「全国学生エアロビック選手権」にて、
初心者を集めた結成1か月の早稲田大学エアロビックユニットSEIZEが5位入賞を果たしました。
たった1ヶ月で初心者に1から競技エアロビックというスポーツを伝え、まさかの入賞という結果を残せたのは、メンバー全員の努力が一番ですが、ロジック的な部分を紹介していきます。
目次
①リーダーはすべてを背負う覚悟を決める

テーマ:鳥巣愛佳決意の表情IN静岡
いきなり暑苦しい精神論ですみません。
でもまずはここだと思います。結成をして次にどうするか、何をするのか、よく考えます。期間はたったの1ヶ月。
この大会に出る他の大学はほぼ部活やサークルで定期的に集まり、ずっと前から練習を積んでいる人たちです。1ヶ月で初心者集めて大会に出ようだなんて普通はあり得ません。
練習日程調整、練習場所の確保、振り付け、曲編、練習方法、本番までのタイムラグ、メンバーの安全管理、衣装、お金、チームマネジメント…
短期間でやろうと決めたリーダーはこれらすべてを背負う覚悟と
貴重な大学生活の夏を預かっている責任を負うことが必要です。
簡単に言うとメンバーに練習のみに集中してもらう環境を作ることです。
私は競技を14年やっており、しかも2年間プロの指導者としてお仕事させて頂いたお蔭で、曲編や振り付けや練習のリードは得意なはずでした。
しかしその他のことは手探りと成り行きに任せたことは多かったように思います。自分のマネジメント力のなさに失望したことも多々ありました。
②安全管理が大切。やっているのは競技のエアロビック。

メンバーはそれぞれに就活、サークル、バイト等を抱えていました。全員がそろって練習できるのはたったの5回(実際は6回)。
その1回目の貴重な練習でメンバーの1人が軽い肉離れを起こしました。
本当に申し訳なかったです。私がちゃんと目を張っていればこんなことは起らなかった…
本人からも焦りと申し訳ない気持ちが伝わりました。
スタートは自分の中では正直最悪でした。
でもここで全員の安全管理と怪我の予防に注意を払うことが出来ました。ストレッチ、アップ、筋トレ、シューズ選びなど怪我のないように努めました。
③時間と場所を有効活用してチームワークを高めること
東京の新宿区ということもあり、練習場所を取るにも結構なお金がかかりました。サークルでないので大学の施設も使えません。
1回の練習は最高でたったの2時間。長時間の練習が出来ないので、時間は1秒たりとも無駄には出来ません。
大会に向けて合宿をやっていた他の大学が心底羨ましかったです…
しかし練習時間は少なくても、メンバーとコミュニケーションをとれる時間は作れます。
練習前に自分の家を開放し、ストレッチ&トレーニング兼おしゃべりの時間を作りました。

ものすごくほほえましい絵w
毎回うめき声が聞こえるほどの体幹トレーニングもやりました。
部屋の犠牲は一緒に住んでいる父親でしたが、優しく見守ってもらいました。笑
このままスタジオに入ればすぐ身体を動かすことが出来ます。効率的!
全員個性は強いけど、協調性のある優しい人たちなのでチームワークは安心していましたが、チームとして一緒に過ごす時間は多く作ろうと思いました。
寄せ集めのメンバーが結果、一緒にいると何をしてても楽しい仲間になりました!

あと練習終わりはほぼ誰かと一緒にご飯食べてました。ラーメンにステーキ丼に…よく食べる早稲女ですね。
④練習は楽しく→厳しく→楽しくを心がける

( 全身で喜びを表現している鳥巣選手w)
まず未知の動きであるエアロビックがどんなものかチャレンジしてもらうには楽しくないといけません。
普段は厳しい指導を心がけてる鳥巣ですが、SEIZEの練習はとにかく笑ってばかりでした。ノリとツッコミのバランス感。自分も本当に楽しかったです。
そして論理的に説明して理解してもらった上で厳しくやることが大切です。
なぜこんなに弾まなければいけないのか、つま先をなぜ伸ばさないといけないのか、これは何のための練習なのか…
みんな頭が良いので色んな疑問があったと思いますが少しでも理解してもらった上で、出来ていない事ははっきり言いました。
そして気づいた身体や動きの変化をどんどん誉めていきました。
基本は笑ってばかりでしたね。
⑤毎回の練習動画共有。自主性を促す練習方法

メンバーには過去のダンス経験から個人差もありました。
振りを覚えるのも、動画を見て覚えられる人もいれば、もちろんそうでない人もいます。(初心者は後者が一般的です)
しかし全員の息を合わせてやっと一つの演技が出来ます。
出来ていない人は毎回の動画を見て自分で頑張ってもらい、私も最大限のフォローはしました。出来てきた人には演技の中でも更にレベルの高い持ち場を持たせました。
そして私もみんなが頑張るならば自分ももっと頑張ろうと個人部門にエントリーしました。みんなの応援の中結果も残せてよかったです。
それぞれが手探りで本当に自主的に頑張ってくれました。
⑥『早稲田の初心者チームが1ヶ月で大会に出て観客を沸かせる演技をする』というポジティブなサクセスストーリーを語る
「周りがどんなに上手だろうと関係ない、自信を持って私たちは私たちで最高の演技をすること」
本番前最後の練習で私はこう言いました。
「初心者・結成1カ月」大会に出るにあたり明らかにデメリットにしかならないここに「早稲田大学」という高き誇りを意識させることで、
「結成1カ月初心者チームの早稲女がこんなに素晴らしい演技を創り上げ、それを多くの人たちに見てもらう。早稲田の名前で初めてエアロビ界に足を踏み入れ、エアロビック界のイノベーターになる」
というポジティブなサクセスストーリーを私はずっと語っていたんです。
実話なので盛って話しているわけではないですが、これをメンバーに共有したのとしていないのでは大きな差があったかと思います。
言われた方は多分ドラマの主人公みたいになると思うんです。私も自分で言い聞かせて、なっていました。
エアロビ界のヒロイン気分です。
そして思いもよらない5位入賞という結果から、このイノベーションは成功だったと思います。みんながヒロインです。
だって見てください。この写真。


まるで硫黄島にアメリカ軍が星条旗立てたような光景です。(メンバーいわく)
しかも初出場ながらセンターで。うちのアイドルももちゃんが最高の笑顔でWを突き刺しています。
これぞ早稲女です。
最後に
これがSEIZEの演技です。
youtu.be応援の声がとてもとても嬉しいですね。本当にありがとうございます。
偉そうに書いていますが、すべてが正解だったのかもわかりませんし、自分が気づいていない中でもダメなところもたくさんあったと思います。
最初は5回程度の練習と言って誘ったのに、結果11回やってたようです。ブラック!笑
考えて計算してやっていたというより、成功例からの追求かもしれません。
メンバーがはじめ、ひどい筋肉痛に悩まされてたことも後から知りましたし、初めてのエアロビに色んな疑問や不安はあったと思います。
でもメンバー全員が頑張ったのも結果も事実です。
今後も楽しいことを全力でやっていきたいですね。
次はこれを読んでみましょう!