
突然ですがフィットネスクラブの業界では共通言語があります。
フィットネスクラブの通常のスタジオレッスンは、
この曜日のこの時間にこのインストラクターのこのレッスン!
という感じでスケジュールが決まっているのですが、
インストラクターもサイボーグではないのでお腹が痛くなったり、怪我をしたり、風邪をひいたり(つまり体調不良)、
その他のっぴきならない用事がある際は、レッスンをお休みしなければなりません。
かと言ってあらかじめ決まっているスケジュールは、来ているお客さんたちに残念な思いをさせてしまうので簡単に変えることはできないのですよね。
その際フィットネスクラブやインストラクターは代わりにレッスンできる先生を探して、その先生にレッスンを託します。
それを「代行」といいます。
はい、声に出して〜
( ´▽`)「代行!」( ´▽`)♪
覚えました?←
インストラクターとしてデビューしたてのエアロビのお姉さんは
この代行のお話しがあれば、積極的に手をあげさせて頂いてます。
そう、経験がすべて。(ドヤりながらいつも緊張してるのがトリスです震)
目次
とある代行レッスン(上級クラス)での出来事

老舗のスポーツクラブからのご依頼で、代行で来るのは2回目。
念入りにレッスンで行う振り付けやレッスンの流れを確認し、いざレッスン。
もともと少人数のクラスで、この日もいつもどおりの顔ぶれだそうでした。
わたしはエアロビクスの指導スキルは正直まだぎこちなさが隠せないですが、
不器用ながらも受講者の方(メンバーさん)のことをよく見てレッスンを進めていきます。
今回は「上級クラス」なので、メンバーさんの様子を見ながら、考えてきた上級向けの振り付けを徐々に組み立てていきます。
大きなミスもなく私も終盤に向けてテンションを上げて、動きも大きくしていきます。
レッスン終盤に向かってインストラクターとメンバーさんのボルテージが
MAXになる….
はず…..
ですが、なんだかお客さんの表情は硬いまま。
むしろ最初のウォーミングアップの時の方が柔らかかった。
私なんか変なこと言っちゃったかな。振り組み立てるの下手すぎたかな。置いていっちゃたかな…
様々な不安がよぎったので、
レッスン後、メンバーさんみんなに思い切って聞いてみたのです。
代行レッスンを終えて衝撃の一言
「今日のレッスンどうでした?
みなさんが普段どんなものを受けてあるかわからなかったので、比較含めてぜひ教えて頂きたくて!><」
「うーーーん。もっとガンガン振り付けを変えないと
眠くなりそうだったわー!!」
(うわああああああ、まぢで….)
確かにメンバーさんの動きのキャッチ力(動きについてこれる力)は良かったんです。
でも私はその動きをもっと大きく、身体を使って動いて欲しくて、それ以上難しくしませんでした。
というよりも自分の中では十分難しく思ってるだろうとさえ思っていたのです。
今までも、やり直させて欲しいくらいの失敗をしたこともありますが、
「眠くなる」の言葉はここ一番の衝撃でした。もちろん優しく言って頂きました。
(いや、絶対眠くでないしょ!これ結構まじめに難しいやつだよ!)
と思ったもののすべては私の力不足。お客さんの言葉こそがすべてです。
ショックだったけどアホになってみた
一瞬ショックを受けたものの、それと同時にそんな時間を過ごさせてしまった申し訳なさの方が勝ちました。
「うわ〜〜〜〜〜。ほんっっとすみません!!
眠られなくて良かったです!!次はもっと難しいのガンガンいきますね!!また来るので、ぜひ宜しくお願いします!!!!」
言いながら自分で情けないと思いました。
プロなのにこんなことをお客さんに言ってアホなんじゃないか。
いや、アホなんだ。私はとってもアホなんだから、仕方がない。
しかしそれを言った瞬間、メンバーさんの表情が和らいだのがわかったのです。
次は楽しみにしてる!と言って帰りは笑顔で帰ってくださいました
(本当に来てくださるかどうかはわかりませんが…来てくださったら嬉しいな)
私には何もかものスキルと経験が足りなかった
反省点はありすぎるので乱書きします(雑)
スムーズな動きのもっていき方・下調べ(どんなレッスンを普段受けているか)・個性的な振り付け・面白さ・ツッコミどころ・余裕・わかりやすい言い回し・感じてもらいたい動かし方の指示・メンバーさんとの絡み方・テンションのコントロール….
うわーーーーーーーーー。とってもカオス。
もうこれは一言です。
努力しろ。
以上。
技術の追求は当たり前。大事なのは「察する力」
プロとして仕事をするなら、技術は追求して当たり前です。
しかしそもそも大事なのはこのお客さんの様子を「察すること」ではないでしょうか。
お客さんの表情や雰囲気の変化、その理由に気づかなければ、元も子もないです。
引きだしを増やしてスキルをどんなに積んでも、気づかないとその発揮もできない。
まずは気づくこと。察しろトリス。
せめてアホになれて良かった。

せめてもの報いはフィードバックを頂いて、素直に受け入れて誠心誠意気持ちを伝えたことでしょうか。
何もなければ、お互いモヤモヤしたままだったかと思うと恐ろしいです。
プライドを捨てて、アホになることも大事だと学びました。
わたしの場合は若さや隠せない素朴さもあったから受け入れて下さったのかもしれませんが、ひたむきにやるしかないです。
やっぱりこの仕事、楽しいです。
がんばりますよーー( ´ ▽ ` )ノ
らぶゆーーー!!